「温泉街でリモートワークなんて、絶対に誘惑に負けて仕事にならない」
そう思っていた時期が、私にもありました。
こんにちは、日本全国の温泉地を転々としながらノートPCを叩き続けている、ノマドトラベルライターです。
毎日のタスクや迫りくる納期。PC画面とにらめっこしながら、心身ともに疲弊して「とりあえず温泉に浸かって溶けたい!」と叫びたくなること、ありますよね。
でも、いざ温泉ワーケーションを計画しようとすると、
「旅館のWi-FiスピードでZoom会議は耐えられるか?」
「作業に集中できるカフェはあるのか?」
「結局、宿で仕事ばかりして、温泉に入る時間がなくなったらお金の無駄では?」
といったリアルな不安がつきまといます。
そんな、癒やしと仕事の狭間で揺れるIT系リモートワーカーやフリーランスの皆様に、私が全力で推したいのが……なんと兵庫県の「城崎温泉」です。
「えっ、城崎って浴衣でカニを食べて外湯めぐりをする、ゴリゴリの観光地でしょ?」
そう思われた方、実はその固定観念はもう古いです。現在の城崎温泉は、風情ある街並みを完全に残しながらも、高速Wi-Fi完備の宿や、電源付きのスタイリッシュなカフェが続々と誕生し、知る人ぞ知る「ノマドの聖地」へと静かに進化を遂げているのです。
この記事では、実際に私が城崎温泉に滞在し、時にはカフェで原稿を書き上げ、時には浴衣姿でPCバッグを抱えて外湯に向かった「超・実践的なワーケーションのリアル」をお届けします。
絶対に失敗したくないあなたのために、ネット環境の真実から、集中できる秘密基地のようなカフェ、そして仕事とリフレッシュを完璧に両立させる黄金のルーティンまで、余すところなく大公開します。
読み終わる頃には、あなたも特急「こうのとり」や「はまかぜ」の予約ボタンを、無意識に押しているはずです。さあ、最高の仕事と最高の癒やしが待つ、城崎ワーケーションの世界へ飛び込みましょう!
なぜ今、城崎温泉なのか?「観光地」から「ノマドの聖地」へ進化した魅力
私を含め、多くのリモートワーカーが城崎温泉のリピーターになるのには、明確な理由があります。
単に「温泉があるから」というだけでは、厳しい仕事のパフォーマンスは維持できません。
城崎には、デジタルノマドを強力にバックアップする環境が密かに整えられているのです。
意外な事実!インバウンド対応で劇的に進化した高速Wi-Fiとネット環境
まず、私たちがもっとも懸念する「ネット環境」問題。
城崎温泉は近年、外国人観光客(インバウンド)の増加にともない、町を挙げて通信インフラの整備を急速に進めました。
結果として、温泉街のメインストリートでは無料で使える「Kinosaki Free Wi-Fi」が飛んでおり、驚くべきことに多くの老舗旅館でも、動画編集データのアップロードや複数人でのZoom会議に耐えうるレベルの実測スピード(下り50Mbps〜100Mbps以上)を叩き出す宿が増加しています。
「山間の温泉街=電波が弱い」という先入観は、城崎においては完全にアップデートして問題ありません。
「7つの外湯」がもたらす、PCを強制シャットダウンする究極のオン・オフ切り替え効果
ワーケーション最大の罠。
それは「仕事と休みの境界線が曖昧になり、結局ずっとPCを開きっぱなしになる」ことです。しかし城崎温泉には、名物である「7つの外湯めぐり」があります。
旅館の内湯だけで完結するのではなく、街へ出て、柳並木を歩き、雰囲気の異なる7つの公衆浴場を巡ることこそが城崎の醍醐味です。
このシステムは、私たちに「部屋に閉じこもらず、外へ出る口実」を強制的に与えてくれます。
夕方17時、ひとまずPCをパタンと閉じ、下駄を鳴らして外湯に向かう。この圧倒的な環境の変化が、脳の疲労をスッキリと洗い流し、夜や翌日の作業効率を爆発的に高めてくれるのです。
カランコロンと響く下駄の音。「浴衣×PCバッグ」という城崎ならではの新・ノマドスタイル提案
城崎温泉のドレスコードは「浴衣」。街行く人の大半が浴衣と下駄姿で歩き回っています。
最初は「浴衣姿でノートPCの入ったバックパックを背負うのは浮くのでは?」と心配するかもしれませんが、ご安心ください。全く問題ありません。
むしろ、浴衣のままふらっとカフェに入り、香り高いコーヒーを飲みながらカタカタとタイピングをし、疲れたらそのまま歩いて1分先の外湯で肩までお湯に浸かる。
この「和のくつろぎ」と「最先端のワークスタイル」が融合したサイバーパンク感すら漂うシチュエーションは、城崎でしか味わえない最高のエクスペリエンスです。
ノマド直伝!失敗しない「城崎のワーク向き宿」の見極めポイント
ネット環境が整備されたとはいえ、宿選びを間違えるとワーケーションはあっけなく失敗に終わります。
「とりあえず安い温泉宿」という選び方はNG。
仕事の生産性を落とさないための、宿探しの3つの鉄則をお伝えします。
【最重要】「全室Wi-Fi完備」の罠。自室の電波状況と実測スピードをあらかじめ探る裏技
予約サイトでよく見る「全室Wi-Fi完備」という文字。
これを鵜呑みにしてはいけません。
古い木造建築が多い温泉宿では、ルーターが廊下に一つしかなく、「部屋の入り口付近でしか電波を拾わず、窓際の机ではブツブツ切れる」といった悲劇がよく起こります。
これを防ぐ裏技は2つ。「Googleマップ等で『Wi-Fi』『仕事』『リモート』で口コミフィルターをかけて徹底的に調べること」、そして「予約前に宿へ直接電話し、『部屋でZoom会議をしたいのですが、回線は安定していますか?』とド直球に聞くこと」です。
ワーク歓迎の宿であれば、即座に「ルーターに近いお部屋を手配しますよ」といった頼もしい回答が返ってきます。
和室で腰を痛めないために。広めの広縁や「ワーケーション用デスク」が整った宿の選び方
温泉旅館といえば「座椅子と低いテーブル」。ここで8時間もコードを書いたり原稿を執筆したりすれば、間違いなく腰が砕けます。
狙うべきは、窓際にある「広縁(ひろえん)」と呼ばれるスペースに、しっかりとしたテーブルと背もたれ付きの椅子が設置されている和室です。
ただし、広縁があっても「椅子が低すぎる」「クッションのみで背もたれがない」というパターンもあるため、予約前に必ず「椅子とテーブルの高さのバランスを写真で見るべし」というのが鉄則です。
あるいは、最近城崎エリアに増えている「モダンにリノベーションされたゲストハウス」や「ワーケーションプランを打ち出している宿」を選びましょう。
中には、オカムラ製のワーキングチェアや、デュアルモニターを貸し出してくれるガチ勢向けの宿すら存在します。
仕事の自由度とコスパを極めるなら「素泊まり×外食」という戦略的アプローチ
旅館の豪華な会席料理は最高ですが、夕食に2時間かかり、さらに指定された時間枠(18時〜19時台)に拘束されるのは、納期に追われる身としてはなかなかのプレッシャーです。
そこでノマド流の最適解となるのが「素泊まり(または1泊朝食付き)プラン+夕食は外食」という戦略です。
仕事のキリが良いタイミングまで粘り、20時過ぎにフラッと街の居酒屋や食堂に出かけて、地元の人が食べるような海鮮や但馬牛をつまむ。
これなら時間も予算もコントロールでき、仕事のペースを乱さずに済みます。
納期前でも超集中!城崎でおすすめのPC作業カフェ&スペース
「宿の部屋だとどうしてもベッドの誘惑に負けてゴロゴロしてしまう」。そんな時は、街のカフェへエスケープしましょう。城崎温泉には、都会のノマドカフェ顔負けのおしゃれで快適な作業スポットがあります。
広々デスクと3,000冊の本に囲まれたクリエイティブ空間「短編喫茶Un(アン)」
城崎温泉駅から徒歩圏内にあるブックカフェ「短編喫茶Un」。
ここはただのカフェではなく、3,000冊を越える本が並ぶ知的な空間です。最大の特徴は、一般的なカフェのように「1杯頼んで長時間居座るのが気まずい」というプレッシャーがないこと。
ここは「入場料(1,000円〜など)を払えば時間内は没頭し放題」という独自のシステムを採用しており、ノマドワーカーが安心して居座れる強力な味方です。
窓際のロングテーブル席は奥行きがあり、16インチのMacBookを広げてもまだ余裕がたっぷり。電源やWi-Fiも申し分なく、静かにジャズが流れる空間でのタイピング作業は、驚くほど捗ります。本格的な自家焙煎コーヒーや、湯上がりにもぴったりな和スイーツを片手に、クリエイティビティを大いに刺激してください。
美味しい但馬牛バーガーと共に。電源◎なスタイリッシュ空間「CREEZAN 城崎本店」
豊岡市の鞄メーカーが展開するレザーブランド「CREEZAN」のフラッグシップストアに併設されたカフェ「CREEZAN 城崎本店」
真っ白で洗練された店内は、インスタ映えするだけでなく作業環境としても非常に優秀です。2階のカフェスペースにはコンセント付きのカウンター席があり、Wi-Fiも非常に安定しています。
そして何より、ここで提供されている看板メニュー「但馬牛バーガー」が絶品!肉汁あふれるパティで作られた贅沢なバーガーを頬張れば、午後の重たいタスクを一気に倒すための圧倒的なエネルギーがチャージされます。
ノマドの鉄則!観光客のピークタイム(チェックアウト直後・15時のおやつ時)を避ける「時間差テクニック」
いくら素晴らしいカフェでも、観光客のピークタイムは混み合い、長時間の作業はマナー違反になりかねません。
城崎のカフェが混雑する「魔の時間帯」は、各宿のチェックアウトが重なる午前10時〜11時半と、外湯めぐりの休憩に立ち寄る15時〜16時台。プロのノマドはここを全力で避けます。
おすすめは、あえて「お昼時の12時〜14時(皆がランチで飲食店に行っている間)」や、「日が沈みかけた17時以降」を狙うこと。
カフェが静まり返るゴールデンタイムを独り占めして、一気にタスクを消滅させてしまいましょう。
最高のパフォーマンスを引き出す!理想のワーク&スパ・ルーティン
温泉地でのワーケーションは「時間割」が命です。仕事に偏ればただの出張になり、温泉に偏れば後で地獄のデスマーチが待っています。私が行き着いた、城崎での「究極のタイムスケジュール」を日数別にご紹介します。
【1泊2日プラン】弾丸でも妥協しない!集中と癒やしの濃縮スケジュール
1日目:特急こうのとりでの移動作業〜チェックイン直後の「魔の誘惑」を断ち切る夕食前集中タイム
- 12:00 大阪出発: 特急「こうのとり」の車内は貴重な作業部屋。テーブルを出して、2時間半みっちりオフラインでもできる執筆やコーディングを進めます。
※特急の新型車両(289系・287系)は窓側にコンセントがありますが、旧型車両の運用時はコンセントがない場合も。確実に作業するならモバイルバッテリー持参か、新型車両の指定席確保が鉄則です。 - 14:30 城崎到着・カフェ直行: 宿にチェックインすると「畳と布団」という凶悪な誘惑に負けるため、駅に着いたら荷物をコインロッカーに預け、そのまま「CREEZAN」等のカフェへ直行。17時まで残りの作業を叩き込みます。
- 17:30 チェックイン: 宿に到着。ここで初めて浴衣に着替え、完全なる「オフ」へモードチェンジ。
- 18:30 夜の街へ: 外湯の一つ「一の湯」で長旅の疲れを癒やし、その後は居酒屋でカニや但馬牛を堪能。ほろ酔いで宿に戻り、爆睡します。
2日目:開湯ダッシュで「御所の湯」へ〜チェックアウト後の午前中カフェワーク〜帰路へ
- 6:30 起床 〜 7:00 朝一番の外湯: 目玉スポットである美しい「御所の湯」は午前7時オープン。6時半に起きて準備し、7時の開門と同時に突入すれば貸し切り状態になることも!冷たい朝の空気と熱いお湯が、脳みそを強制的にシャキッとさせます。
- 9:00 朝活ワーク: 宿の朝食を済ませたら、出発までの1時間は部屋のデスクでその日のタスク整理とメール返信を。
- 10:00 カフェで締め作業: チェックアウト後、「短編喫茶Un」を利用して13時まで最終作業。
- 13:30 ランチと帰路: ご褒美の海鮮丼を食べ、14時台の特急で帰路へ。
【2泊3日プラン】暮らすように働き、全外湯制覇と大型タスク完了を狙う完全版スケジュール
大型プロジェクトを抱えている時や、深い思考が必要な企画立案などには2泊3日が圧倒的におすすめです。
中日となる2日目が勝負。朝から夕方16時まで、宿の部屋やカフェをハシゴしながら「通常営業」のようにゴリゴリと仕事をこなします。しかし、休憩時間はただのベッドではなく、徒歩3分の外湯です。
昼休憩に「まんだら湯」で軽く汗を流し、午後からのスパートに備える。そして17時にその日のタスクをすべて終わらせた瞬間、心置きなく夜のお風呂めぐりに繰り出します。
ただし、7つの外湯はそれぞれ定休日が異なる(例:一の湯は水曜、御所の湯は木曜など)ため、全制覇を狙う場合は、訪れる曜日の定休日を事前に要チェックです!この「やり切った感」と「圧倒的な癒やし」のコントラストは、一度味わうと絶対に抜け出せなくなります。
城崎滞在を120%快適にする装備と「おひとりさまグルメ」
外湯めぐり×PC持ち歩きの最適解は「防水バックパック」と「湯上がり用手提げ」の二刀流
城崎で忘れてはならないのが、「弁当忘れても傘忘れるな」と言われるほど雨や雪が多い地域であること。
そして、湯気と湿気が充満する脱衣所に精密機器を持ち込むのは非常に危険です。
正解は「荷物を分ける」こと。カフェに行くための防水仕様のPCバックパックとは別に、ちょっと外湯へ行くだけの「湯上がり用手提げ袋(ナイロン製のごく小さなトートなど)」を持参しましょう。
PCは宿の金庫に厳重に保管するか、コインロッカーに預け、手提げにタオルと財布、スマホだけを入れて身軽に外湯に向かうのがプロの立ち回りです。
間違っても、20万円のMacBookを脱衣所で放置してはいけません。
孤独なノマドの息抜きに最高!ご褒美に食べたい絶品「海鮮丼&但馬牛ランチ」攻略法
ワーケーションは基本ひとり旅。しかし、せっかく城崎に来たなら地のモノを食べたいですよね。
一人でも入りやすいおすすめグルメの筆頭は、駅前通りにある「おけしょう鮮魚の海中苑」。
一階が鮮魚店になっているこの食堂の海鮮丼は、圧倒的な鮮度とボリュームを誇ります。ただし、11時〜18時頃(ラストオーダー17時台)までの営業が多いため、夕食として利用する場合は、仕事終わりすぐの早めの時間帯を狙うのが鉄則です。
もう一つは「但馬牛の焼肉ランチ」。例えば「但馬牛 いろりダイニング三國」なら、一人焼肉やステーキ重も全く浮くことなく楽しめます。極上のサシが入ったお肉で「このために頑張って仕事をしたんだ」という自己肯定感が爆上がりします。
ただし、超人気店のため、平日でもランチ・ディナー共に事前予約、またはオープン直後の早めの訪問を強く推奨します。
まとめ:城崎温泉は、限界リモートワーカーを救う魔法の街
城崎温泉でのワーケーションは、ただ「場所を変えて仕事をする」という妥協案ではありません。仕事の生産性を極大化できる環境と、オンとオフを強制的に切り替えてくれる温泉街のシステムが見事に噛み合った、「働く大人を救う最高のハック」です。
※冬のノマドワーカーへの注意点※
冬(12月〜3月)に城崎へ向かう場合、車でのアクセスはノーマルタイヤでは絶対に不可能です。
もしあなたが「車でふらっと行ってワーケーションでも…」と考えているなら、この時期だけは特急(こうのとり・はまかぜ)一択です!雪道トラブルで仕事をすっぽかすことのないようご注意を。
浴衣姿でコードを書き、企画書をまとめ、疲れたら下駄を鳴らして極上のお湯に溺れる。そんな夢のような数日間は、決して手の届かないものではありません。
もし今、あなたが目の前のタスクとPC画面に疲弊しているなら。週末の宿の空き状況と、特急電車の時間を調べてみてください。カランコロンという癒やしの音が、あなたを待っていますよ。

