2024年9月のMMD研究所の調査結果が発表され、MVNO(仮想移動体通信事業者)市場で「OCN モバイル ONE」がメイン利用率でトップを維持していることが明らかになりました。
新規受付が停止しているにもかかわらず、高いシェアを誇っています。
一方、総合満足度においては「日本通信SIM」が最高得点を獲得し、顧客満足度や推薦意欲が非常に高いことが分かりました。
この調査から、MVNO市場における競争の激化や、ユーザーの満足度がどのように変化しているかが読み取れます。
MVNO市場のシェア:OCN モバイル ONEの強さ
MVNO(仮想移動体通信事業者)市場では、「OCN モバイル ONE」がメイン利用率で引き続きトップに立っています。
この調査では、OCN モバイル ONEのシェアが17.0%を占め、mineo(14.5%)やIIJmio(13.6%)に差をつけています。
新規契約が停止されているにもかかわらず、OCN モバイル ONEの利用者が多いことは、既存ユーザーからの高い支持を示しています。
⓵ 新規受付停止にも関わらずシェアを維持
OCN モバイル ONEは、2024年2月の調査時点から1.9ポイント減少したものの、依然として多くのユーザーに選ばれています。
特に、楽天モバイル(MVNO)が5.5ポイントと大幅な減少を記録している中で、OCN モバイル ONEのシェアは安定しています。
これは、信頼性の高いサービス提供や、ユーザーの使い勝手が良いことに起因していると考えられます。
⓶ 他MVNOサービスのシェア変動
他のMVNOサービスを見ると、J:COM MOBILEやIIJmio、mineoがシェアを増やしています。
これらのサービスは、独自のキャンペーンやコストパフォーマンスの良さでユーザーの支持を集めている可能性が高いです。
一方で、楽天モバイルのシェアが大幅に減少しており、価格戦略の再検討が求められるかもしれません。
⓷ MVNO市場全体の利用率の変化
調査によると、MVNOをメインで利用しているユーザーの割合は全体の9.3%で、2月調査から0.3ポイントの微減です。
これからもMVNO市場が拡大する可能性はありますが、特にOCN モバイル ONEのような強力なプレイヤーの動向が市場の方向性に影響を与えるでしょう。
満足度ランキング:「日本通信SIM」がトップ
総合満足度の面では、「日本通信SIM」が最も高い評価を受けています。
この調査では、満足度の指標として「ポイント制」が採用されており、日本通信SIMが926ポイントでトップとなりました。
⓵ 総合満足度における強さ
「日本通信SIM」はコストパフォーマンスの高さや、使いやすさ、サポートの充実度が評価されており、他のMVNO事業者を上回る満足度を誇っています。
特に、月額料金の低さと通信品質のバランスが、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となっています。
⓶ mineoとIIJmioも高評価
mineo(891ポイント)やIIJmio(885ポイント)も高い満足度を得ており、これらのMVNOサービスもユーザーに支持されています。
mineoは特に、フレキシブルなデータプランと独自のコミュニティサービスで多くのユーザーを引き付けています。
IIJmioはその技術力と通信品質の高さで知られ、ビジネスユーザーにも人気です。
⓷ OCN モバイル ONEの健闘
OCN モバイル ONEは満足度で885ポイントを獲得し、mineoやIIJmioに次ぐ結果となりました。
シェアでの強さに加えて、サービスの安定性が支持されていると言えるでしょう。
ただし、楽天モバイルと同様に新規契約が停止されているため、今後の動向には注目が集まります。
顧客推薦度:NPSスコアで「日本通信SIM」が首位
顧客推薦度(NPS)スコアでは、「日本通信SIM」が最も高い評価を得ています。
NPSは顧客が他人にそのサービスを勧めるかどうかを測る指標で、日本通信SIMは5.3とプラスの評価を得ました。
⓵ 日本通信SIMの強み
日本通信SIMがプラスのNPSスコアを得た背景には、サービスの安定性とサポートの良さが挙げられます。
特に、格安ながらも十分な通信品質を提供している点が、多くのユーザーに推奨される理由となっています。
⓶ mineoやイオンモバイルのNPSスコア
mineoはNPSスコアで-8.0、イオンモバイルは-14.7と、やや低めのスコアとなりました。
これらのサービスもコストパフォーマンスや利用しやすさで人気ですが、特定の面で改善が求められている可能性があります。
特にサポート体制や通信速度に対する不満が影響しているかもしれません。
⓷ NPSが示すMVNO市場の課題
MVNO全体のNPSスコアを見ると、プラス評価を得ているサービスは少ないことが分かります。
これにより、多くのユーザーが通信品質やサポートに対して改善を望んでいることが示されています。
今後、各事業者はこれらの課題に対応することで、さらなる顧客獲得が可能となるでしょう。
まとめ:今後のMVNO市場の展望
今回のMMD研究所の調査結果から、MVNO市場が依然として競争が激しい状況にあることが分かりました。
特に、「OCN モバイル ONE」のような大手サービスが新規契約を停止してもなお、メイン利用率を維持していることは注目に値します。
一方で、「日本通信SIM」のように満足度や顧客推薦度で高い評価を得るサービスが、今後の市場で優位に立つ可能性が高いです。
MVNO市場はユーザーにとって、通信費の節約や柔軟なプラン選択が魅力ですが、今後はさらに通信品質やサポート体制の改善が求められるでしょう。
顧客満足度を高めるためには、単なる料金の安さだけでなく、長期的な信頼関係を築くサービスが重要となります。